[2348] 病院敷地内に集団墓地
ナチス「障害者抹殺」の犠牲者か
オーストリア② 2011年1月14日 20時24分
地井和夫 さん
ナチスは、特異な優生学的思想に基づき、身体障害者や精神障害者は「生きる資格
がない」と断定、強制的な不妊手術を行い、社会から排除したほか、39年から41年
にかけて「T4作戦」と称する安楽死政策を実行しました。この作戦で死亡した障害者
は20万人以上とされています。この作戦の中心の一つになったのは、オーストリア中
部のリンツ近郊アルコベンにあったハルトハイム城など。ハルトハイムでは40年5月
から41年8月にかけての1年4カ月間だけで約2万人の障害者が殺害されたといい、
この数字は45年の終戦までには3万に達したといいます。ハルの精神病棟からはこ
の間に少なくとも360人がハルトハイム城などに送られました。 T4作戦は41年8月にヒトラーの命令で公式には中止となりましたが、精神障害者の
殺害はナチスの医師により個々の精神病院で続きました。この時期の安楽死は政府
の命令を公式に受けたものではないという意味で「野放しの安楽死」の時期と呼ばれ
ています。歴史学者は、ハルに集団墓地が開設されたのは42年で、この新たな時期
と一致すると指摘しています。 チロル州のプラッター知事は、墓地発見に大きな衝撃を受けたと語るとともに、チロル
州には歴史的な責任があるとして「この歴史の暗黒の章を今徹底して明るみに出さな
ければならない」と語り、独立専門家委員会を発足させることを明らかにしました。(夏
目雅至)
病院敷地内に集団墓地/ナチス「障害者抹殺」の犠牲者か/オーストリア http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-01-07/2011010707_01_1.html
0 件のコメント:
コメントを投稿