[2130] 鷹野隆大 作品展『金魚ブルブル』② 2010年11月27日 10時10分
レオン さん
たとえば写真家・野村佐紀子は、ヌード写真で男性の所作を繊細にうつし取る。それ
は制度という服を脱ぎ捨てたリアルな姿である。それに対し、鷹野は男性の一部分、
下半身などを撮り、断片化する。それは制度の解体を推し進め、関係性というかたち
で育まれるロマンスや愛などの物語性をはぎ取るためだ。そこに残されるのは、幻想
ではないリアルな他者、生の男の肉体の物語性である。今展では、この生々しさが際
だっている。
ぼてっとした男の肌合いが喚起する勃然たるもの。その感触を、彼は『金魚ブルブル』
と金魚掬いの体験に例える。この生々しさ、あるいは違和感は、心地よい感覚でラッピ
ングされた最近のプライベートフォトの対極にある。しかし、セクシュアリティを超えて、
そこに一種の愛おしさを私は感じる。
■~7月22日(木)
ツァイト・フォト・サロン
TEL03-3535-7188
『週刊金曜日』2010年7月16日号
45ページ
美術
……コメント抜きで、紹介しました。
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