[1995] 「あいつらよりはまだマシだ」 2010年8月1日 17時39分
レオン さん
『いのちの食べかた』(森達也著、理論社)に、次の文章が載っていました。以下に、引
用します。
部落差別が明治以降も残ってしまった理由は、日本が他の欧米諸国に追いつくため
に、彼らを労働力として利用したという側面も、たしかにあっただろうと僕も思う。安い
賃金で働かされる労働者たちの不満のはけ口として、残されたという見方も間違いで
はないだろう。でもそれだけじゃない。もっともっと、言葉にできないニュアンスがたくさ
んあったはずだ。
責任はそんな政策を考えた国家だけじゃない。当時の僕らが、差別する誰かを必要と
したからだ。
(94ページ)
……ある「精神障害者」の共同作業所で、人を差別する会話(例えば、セクシュアル・
マイノリティを差別する会話など)がとびかっているのは、何故でしょうか。「自分たち
は、あいつらよりはまだマシだ」と思うことによって、自分たちが「精神障害者」として差
別されていることを一時的に忘れようとしているせいかも知れません。
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