[1943] 全ては美しい利益の名のもとに③ 2010年7月3日 7時53分
レオン さん
南アフリカの多くの人々は絡みとられてはいないが、一部の人々は、ワールドカップと
いう名のサーカスから注意をそらすためのナショナリストたちの宣伝の洪水に襲わ
れ、押し流されている。毎週金曜日は“サッカーの金曜日”とされて“国”が称揚され、
(学校の子どもたちは強制されて)バファナ・バファナ(南アフリカのサッカーのナショナ
ル・チーム=訳者)のTシャツを着るようになっている。車には国旗が飾られ、人々は “ディスコ・ダンス”という、旅行者向けのレストランで規則正しく踊られるダンスを覚え、
ザクミ(2010年のワールドカップの公式マスコット=訳者)のマスコット人形を買う。懐 疑的な者は愛国心がないと非難され、その顕著な例としては、ストライキを行った南ア
フリカ輸送関連業労働組合(SATAWU)に対して、“国の利益”を考えて要求を棚上げ にするようにという要請が出された[3]。これまでの流れのなかで、100万人近くの人々 が仕事を失ってきたことを考慮すれば、ワールドカップが40万人以上の雇用を生み出
しているという政府の自賛は空虚で腹立たしい。急に生み出されている雇用の大部分
は臨時の、または“期間限定の契約(LCD’s)”であり、労働者たちは組合を持ってお らず、賃金は最低賃金よりかなり低い。 労働組合への弾圧とは別に、社会運動も国家からの同様の敵意にさらされており、イ
ベントの期間中は非公式的に、あらゆる抗議行動が全面禁止となっている。 Jane Duncanによれば:
ワールドカップの試合が行われる他の自治体について、先週末に急いで調査したとこ
ろ、集会に対する全面的な禁止令が出ていることがわかった。Rustenbergの地方自治 体によれば、‘集会はワールドカップのためにとりやめになっている’という。Mbombela
の地方自治体はSAPS(南アフリカ警察サービス)から、ワールドカップの期間中は集 会を許可しないことになっていると告げられた。ケープタウン市評議会はデモ行進の
申請を受け付け続けるとしたが、ワールドカップの期間中は‘たぶん問題になる’と指
摘した。Nelson Mandela BayとEthekwiniの地方自治体によれば、警察はワールドカッ
プの期間を通して集会を許可しないだろうという[4]。(続く)
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