[1939] 現地報告「ワールドカップの喧騒と南ア」③ 2010年7月1日 20時17分
レオン さん
そして競技場警備員たちのストライキ。開会して数日後に、ダーバンの競技場で働い
ていた警備員が賃金に対する不満から職場放棄を始めた。FIFAから警備会社には
一人当たり千五百ランド(約1万8千円)出ているにもかかわらず、十二時間勤務のシ
フトで百九十ランド(2千280円)しか支払われていないとして、自然発生的なストライ
キが始まった。それはダーバンからケープタウン、ジョハネスバーグへと広がっていっ
た。 開会してから一週間後にこの警備会社はFIFAから契約を打ち切られ、警備員たちは
解雇され、その代わりに警察が警備を担当することになった。この直後にダーバンで
行われた日本とオランダの試合では、濃いブルーの制服を着た警察官が試合中にフ
ェンス沿いにずらりと並んで座り、スタンドを凝視していた。ちなみに、この警備担当の
警官にはシフトごとに七百ランド(8千400円)の手当が払われることになっており、そ
のために政府は一億ランド(12億円)の超過支出を強いられることになるという。
FIFAはやりたい放題
その一方でFIFAはやりたい放題だ。オランダとデンマークの試合の際に、三十数人
のオランダのサポーターグループが着ていたドレスが、FIFAのスポンサーではないオ
ランダのビール会社から提供されたものだとして、法に基づいて全員が拘束され、そ
のうちの二人が逮捕された。新聞は一面トップでこの事件を取り上げ、政府を巻き込
んだ政治的な事件になったためか、検察庁はこの二人を起訴せずに釈放せざるをな
かった。 また、ポートエリザベスの小さなレストランが、店の窓ガラスに手書きの二〇一〇の文
字の入ったサッカーボールの絵を掲示していたところ、市当局と警察から違反行為な
ので消さなければ逮捕すると言われたという。昨年十月から書かれていたにもかかわ
らず、開催後に突然通告されたという。(続く)
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