[390] 朝永です。長々と引用します。 2008年3月10日 9時20分
朝永振一郎 さん
東京新聞 筆洗 2008年3月10日付
息は上がり、体は、そこらじゅうが悲鳴をあげている。もうやめよう、もう十分だ。だが、 もう一歩だけ前へ。いや、もうだめだ。でも、もう一歩だけ前へ▼そんなふうに葛藤(か
っとう)を積み重ねてランナーはゴールへと近づいていくのではないか。してみれば、
マラソンとは「あきらめること」との闘いなのかもしれない。きのうの名古屋国際女子マ
ラソンを見ていて、そんなことを考えた▼金に輝いたシドニー大会以来の五輪出場と
いう高橋尚子選手の夢はスタートから十キロもいかないところで、あっけなくついえ
た。もし夢だけが、この天才ランナーの燃料なら、そこで止まってもおかしくはない。だ
が、彼女は走り続けた。「あきらめること」に抗(あらが)うように▼レース後、高橋選手
が明かしたのは、昨夏、致命的ともいえる右ひざ手術を受けていた事実。もし「あきら
めること」に慣れていれば、そこでジ・エンドのはずだ。だが「挑戦せずにあきらめるわけにはいかない」と練習を重ね、名古屋に来た。もうだめだ、でも、もう一歩だけ前へ、
と▼結局、マラソン選手とは「あきらめること」の苦手な種族で、彼女はその典型なの
だろう。そして、それが見る者の心も揺さぶるのではないか。もし、夢の実現を目撃したいだけだったなら、あれだけの観衆が、期待のQちゃんの二十七位でのゴールを競
技場で待ち続けるわけがない▼レースは若い中村友梨香選手が制し、五輪代表が有
力に。世代交代の印象だが、十四歳上の高橋選手は引退を否定した。やはりまた、も
う一歩だけ前へ、である。
こういう引用は、法に触れるのでしょうか???
もしそうなら、管理人さん、申し訳ないですが、削除してください。
朝永
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